近くも遠くも見えなくなるスマホ老眼
スマートフォンを長時間見る習慣があり、ピントが合いにくくなったと感じたら、あなたもスマホ老眼かもしれません。
スマホ老眼は近くも遠くも見えなくなる症状が表れます。
最近では20代の若い世代にもその症状に悩む人が増えています。
なぜスマホ老眼になるのか?
その原因はどこにあるのか?
ここでは、スマホ老眼の特徴を探りながら原因を追求し、予防法や改善方法を紹介していきます。
スマホ老眼は悪化する前に対策をとり、健康な目をキープしましょう。
スマホ老眼の原因と症状
電車の中、駅の改札口、公園、交差点など街のいたるところでスマートフォンを手にする姿は、当たりまえの光景として目に入るようになりました。
そして若者だけでなく中高年の間でもiphoneをはじめとするスマートフォンユーザーは増え続けています。
スマホは生活上のツールの一つとして、なくてはならないアイテムになりました。
その利用頻度も高く、
- インターネット上での買い物や動画の視聴
- SNSの閲覧
など、日常生活でスマホを見る時間は長くなっています。
しかし、そうすることで目には大きな負担をかけています。
スマホの画面を長時間見続けていると、スマホ以外のものにピントが合わなくなる症状が起こります。
この症状が「スマホ老眼」と呼ばれています。
老眼とスマホ老眼の違い
「老眼」とはいっても、スマホ老眼の発症メカニズムは老眼とは全く異なります。
老眼は加齢により水晶体が硬くなることで、近くにピントを合わせる調節力が低下する症状です。
しかしスマホ老眼は、毛様体筋の緊張が原因で近くにも遠くにもピントが合わなくなることをいいます。
毛様体筋は、水晶体の厚みを調節する筋肉で、毛様体筋がリラックスした状態だと水晶体は薄く、遠くにピントが合っています。
一方近くのものを見るときは、毛様体筋が緊張して縮み、水晶体が厚くなることで近くにピントを合わせることができます。
毛様体筋は眼の調節器官としては重要な役割を担っています。
なぜ毛様体筋が緊張し続けるのか?
ではなぜ、スマホなどの画面を長時間見ていると毛様体筋が緊張し続けるのでしょうか?
毛様体筋が緊張するのは、大脳の指示によるものです。
長時間にわたり至近距離でスマホの画面を見続けると、脳がその状態に順応して画面以外のものを見ようとしても反応できなくなります。
その結果、大脳は指示を送ることができず、毛様体筋が反応しないのでピントが合いにくくなるのです。
文庫本と電子書籍の差
最近ではスマホやタブレットで電子書籍を読む機会も増えています。
近くのものを見続けるという点では、紙の書籍を読んだ場合でも同じことが起きるはずです。
しかし、国際医療福祉大学の実験で、同一人物に文庫本と電子書籍を30分読んでもらったところ、電子書籍の読書後は、遠くを見たときに手前にピントが合う状態になっていることがわかりました。
それは電子書籍の方が、
- 10センチ以上近くで見ている
- より長時間、集中して見続けている
などの傾向にあり、そのため、近くにピントが合う状態になれてしまい、スマホ老眼の症状が表れる結果になるようです。
スマホ老眼以外にも目にトラブルが!
スマホを長時間見ることで、スマホ老眼の他にも目や体にトラブルが発生することがあります。
ドライアイ
スマホに集中しすぎて、まばたきの回数が減り涙が不足して、目が乾きドライアイの状態になります。
ドライアイになると、角膜が傷つきやすくなり、目の乾きや痛み、充血や慢性的な疲労感、不快感という症状があらわれます。
睡眠障害
スマホやタブレットの画面からは青色の有害な光、ブルーライトが発光しています。
ブルーライトは直接網膜に達する強力な光で、網膜に傷害を与える危険性があり、目疲れを引き起こす原因になります。
また2013年の「第1回国際ブルーライトシンポジウム」では、ブルーライトを長時間浴びると、「メラトニン」というホルモンの生成が抑制されるという研究報告がありました。
メラトニンとは眠りを誘う脳内ホルモンです。
メラトニンは日光を浴びると生成が抑制され、日中の活動が終わり夜のなると生成がはじまります。
ところが夜にスマホやタブレットを長時間見つづけると、その間にブルーライトを浴び続けることになります。
その結果、睡眠を誘発するメラトニンの生成が抑制されて、睡眠に障害が起こります。
このような自律神経の乱れは、眼精疲労の原因にもなります。
ブルーライトには、PCメガネやブルーライト対策の液晶フィルムで目を保護することも大切です。
スマホ老眼の改善・予防方法
スマホ老眼は、調節機能の低下が原因なので、比較的簡単な改善方法や予防方法で効果が期待できます。
- 20分間続けてスマホを見たら、遠くを見て目を休める
- 寝る前にスマホを見るのは控える
- 画面の明るさや文字の大きさを自分の見やすいように調節する
まずは長時間の使用はさけて、目を休めることが基本的な対策になります。
長時間の使用は避け、目を守りましょう
スマホ老眼は老眼とは異なります。
しかし、スマホで目を酷使することで、老眼の発症時期を早める要因にもなります。
すでに老眼の人の場合は、余分な疲れ目の原因をつくることになり、老眼の進行を早めることにもなります。
またブルーライトの影響で、恐ろしい眼病を引き起こすこともあります。
スマホやタブレットは非常に便利なツールです。
しかし、長時間の使用は間違いなくあなたの目に大きなダメージを与えています。
使用する時間を控え、スマホ老眼の対策をしっかりしながら大切な目を守るようにしてください。